【相続コラムVol.8】相続人の確定

実はこういったケースがあります。

–哀しみの中、推定相続人間で遺産分割の取決めをして話がまとまった。遺産分割協議書も自分達で作成した。さあ、不動産の登記名義を変えよう。と、司法書士の先生へ連絡すると「これでは相続登記が出来ません。」と返事が返ってきた。–

「えっ!」
相続登記・遺産分割ができない!!! 
納税期日も近づいてきているのに・・・。 相続税が払えない。
(物納もできない)

いったい何の問題あったのでしょうか。

Q.相続開始後、まず何を先にしなければいけないのか?

-A.相続人の確定
相続人の確定において、以下のように法律及び戸籍の問題点のクリアが必要です。

1.法律の問題として

<例えば>
行方不明の相続人の場合→不在者財産管理人(又は失踪宣言)申請を家庭裁判所にて手続きしなければならない。
認知症の相続人の場合 → 後見人選任が必要。※時間がかかるので注意
未成年の相続人の場合 → 親も相続人だと、利益相反となる場合は、特別代理人の選任を家庭裁判所にて手続きが必要。

2.戸籍の問題として

<例えば>
・実子が他人の養子になっていたことが判明
・他人が被相続人の養子になっていたことが判明
・被相続人が生前に認知をしていた子の存在が判明
・被相続人が前妻との間に子がいたことが判明
いずれの場合も、事前に戸籍を調査すれば解決出来た可能性大

相続人が確定するまで

被相続人の出生戸籍まで遡って資料を確認する必要があります。

一般的な方は、役所へ申請して戸籍の書類を集めて終わるかもしれません。
下記に順番に注意点(事例)がありますので、気を付けながら確認するとよいと思います。

check①
子又は兄弟姉妹相続で、被相続人死亡以前に亡くなられていないか?
→そんな場合は、代襲相続となります。

check②
戸籍を遡り確認して出した推定相続人は、放棄・欠格・廃除などケースがないか?→もしあると、相続人にはなれません。

上記の確認事項で残った方が基本的には相続人となります。

※もちろん、この他にも国籍の確認など行わなくてはいけないことがあります。が、このように相続人が確定し相続関係図が作成されます。

繰り返しにはなりますが、事前に準備し把握すると、ある程度のトラブルを回避出来ます。
その為にも、被相続人の最終意思の尊重である「遺言」の活用をおススメします。
その際は、相続における知識があり、相談のしやすさ・相性・人間性などもあるとおもいますが、必ず相談できるしかるべきところへ行きましょう。 
もちろん当社でもお手伝いさせて頂いております。
このコラムが何かのお役に立てれば幸いです。