【相続コラムVol.5】相続人が相続する財産ってどんなもの?

相続人が相続する財産

大きく分けると下記の2つに分類することができます。

プラスの財産

預金 ・ 有価証券 ・ 不動産 ・ 美術品等の動産 ・ 遺留分減殺請求権 など

マイナスの財産

借金 ・ 債務 ・ 連帯保証人の地位など

相続の仕方

相続すると言っても実は、いくつか相続の仕方があります。
相続する際の状況は、100人いれば100通り。その状況に合う望ましい相続をするために覚えておいてください!

1.単純承認

プラスやマイナス全ての財産を承継する。 ⇒手続き不要 です。

2.限定承認

相続で得た財産より借金が上回るなら、相続で得た財産の限度で借金を払い、後は払わなくてよい、
プラスの遺産が残ったら相続できる。

  1. 相続を知ってから 3ヶ月以内 に家庭裁判所に申述する。 ★重要
  2. 相続人全員の意思の一致が必要。★重要
  3. 財産を使ったり隠したりしたら不可。

3.相続破棄 ポイント!

最初から相続とはならない。当然にプラスもマイナスもすべての財産を承継しない。

  1. 相続人であることを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する。★重要
  2. 相続人が単独で出来る。
  3. 期間伸長の手続きをしておけば3ヶ月を超えても放棄は可能。
  4. 財産を使ったり隠したら、もちろんダメです → 法定単純承認となってしまう。
  5. 放棄した相続人の子は代襲相続人とはなりません。
  6. (遺留分の放棄は生前にできるが、)相続放棄は生前にできません。 

《覚えておいて損はない3つのこと》
1.親の財産には手をつけるな!2.一度受理されたら取り消しできない。
3.相続放棄は相続順位が変わり、親もしくは兄弟姉妹が相続人になる。

《債務の相続》
今度は、債務の相続です。避けられるなら避けたいですよね。
でも自分の身に起こることがあるかもしれません。その際のリスクも理解しておきましょう!

借金や保証債務等の負の財産は遺産分割できない

  1. 法定相続分で相続されます。  ※注意です。
  2. 法定相続分以外の分割は相続人の間では有効だが、債券者の承諾がない限り債権者に対抗(主張)できない。  
保証債務
  1. 連帯保証人の地位は法定相続分で相続する。 → 被相続人が3000万の保証をしていた。 相続人は子ども3人 → 1人1000万の保証債務を相続する。
  2. 隠れた保証債務の怖さ・・・被相続人が生前に教えてくれない。 忘れてしまう。 主たる債務者(お金を借りた人)が破綻して初めて表に出てくる。 
    こんな点に注意★
    保証債務は単純承認後に発生する可能があるから怖い。
    相続前に保証債務が確定した。 → 相続税申告で債務として控除される。
    相続後に保証債務が確定した。 → 相続税申告で債務として控除されない。

※相続破棄と遺産分割協議での相続分の放棄との大きな相違点 ポイント!

相続放棄

→ 家庭裁判所にて放棄手続き。最初から相続人ではなくなる。

相続分の放棄

→ 0の財産を相続したことになる。相続人の地位は残る(借金や保証債務は法定相続分で相続する)

※例えば、安易に「私は相続分いらないから、相続する人が債務も引き受けてね。」 と相続人の間で約束しても、債権者の承諾がないときはあなたにも請求がきますよ!
かと言って、相続人は身内です。そんなことで仲が良かった関係を崩さない様に、よく話し合うことが必要です。相続で関係を壊すために被相続人も財産を残す訳ではありません。
それが難しいときは、早めに信頼できる専門家へ相談・依頼してみましょう。
このコラムが円満な相続の一役を担えれば幸いです。